エクセルでよくつまずくものの一つに参照の種類の違いとどう違うのかがわからないことがあると思います。
大きく分けて3つあります。
(1)相対参照
(2)絶対参照
(3)複合参照
です。
エクセルでセルの指定をする時に、(列名)(行番号)という感じで指定しますが、例えばB2とかですね。
これに$記号がないのが相対参照で、$が1つあるのが複合参照で、$が2つあるのが絶対参照です。
違いがでるのは、式のあるセルをコピペした時です。
なおセル参照に$記号を付けるのは、キーボードの上の方のF4キーを押していくと、順繰りに$記号が付いて行きます。
4回で一周します。
(1)相対参照について
下の図1を見てみましょう。図1
セル1に「=A2*E1」と数式が入っている時に、下方向に3行、右方向に1列離れたセル2にコピペすると、セル2には「=B5*F4」と貼り付けられます。
まずセル1の数式では相対参照しかないことに注目です。
これをコピペすると、貼り付ける場所が移動するわけですから、同じ分だけ数式の中のセル参照も変化します。
セル参照A2は、まず下方向に3行なので2に3を足して5に、次に右方向に1列なのでAがBに変わって、B5になります。
同じようにして、セル参照E1は、下方向に3行なので1に3を足して4に、右方向に1列なのでEがFになって、F4になります。
これで、セル2に貼り付けられた数式が「=B5*F4」になった仕組みがわかりました。
(2)絶対参照について
下の図2を見てみましょう。図2
今度はセル1に「=$A$2*$E$1」と入っています。
これを先ほどの相対参照と同じように、セル1から下に3行、右に1列移動したセル2にコピペします。
まず$記号がなにかというと、$記号が付いた列や行はコピペしても変わらないということです。
セル1の式を見ると、列にも行にも$記号が付いています。
ということは、コピペをしても式は変わらないということです。
セル2の式はセル1と同じですね。
(3)絶対参照について
下の図3を見てみましょう。図3
複合参照ということで、列または行のどちらかに$記号が付いているタイプです。
セル1の式をみると、$記号は行番号に付いていますね。
前と同じように、セル2にコピペをしても$記号のついている行番号は変わらないけど、$記号の付いていない列名は変わります。
セル1から見てセル2は、下方向に3行移動して、右方向に1列移動するのですが、行は変わらないので列名だけ変更します。
A$2はセル2にコピペするとB$2に変わり、E$1はF$1に変わります。
よって、セル2にコピペされた式は「=B$2*F$1」となります。
(4)フィルコピーの場合
式を使うことが多いのは、表で集計したりするときだと思います。表では集計するセルが隣り合っていることが多く、フィルコピーすることが多いと思いますが、これもコピペと同じ考え方でできます。
ただ連続でコピペしているだけです。
次の図4を考えます。
図4
7行目に合計を出すところがあります。
合計なのでSUM関数を使いますが、合計を出すのは一列ずつで横方向にコピーしていけばいいので相対参照でもいいですし、複合参照でもいいです。
まずは相対参照でやってみましょう。
まずセルB7にSUM関数を使って式をいれます。(図5の赤枠)
図5
そして、セルB7を右にフィルコピーします。(図6の赤枠)
列が一つずつずれて行っているのがわかると思います。
図6
次は複合参照を使ってみます。(図7の青枠)
行の方に$記号を付けてみます。
図7
そして、セルB8を右にフィルコピーします。(図8の青枠)
列には$記号が付いていないので列名が変わっていくのがわかると思います。
図8
次は絶対参照を使ってみます。(図9の黄色枠)
絶対参照なので、列にも行にも$記号を付けます。
図9
そして、セルB9を右にフィルコピーします。(図10の黄色枠)
絶対参照なので、式が変わらないことがわかると思います。
図10
結果を数値で見てみましょう。(図11)
絶対参照なので、式が変わらないことがわかると思います。
図11
赤枠と青枠は同じ数値が並びますね。
黄色枠は絶対参照なので式が変わらなかったので、数値も同じ数値が並ぶのがわかると思います。